そばは蓼科(タデ科)の1年生作物で、原産地はアジア北西部、
ダッタン地方といわれ、実の外皮に3つの稜があり、熟すれば黒褐色になります。
「そば」の語源ですが、昔、木材の稜を削り落とすことを「曽婆を取る」といい、
また、山の険しい所や崖を「岨」といい、更に物の端のことを傍(かたわら・そば)、
側といいました。
 つまり、蕎麦も三稜あることから曽婆と呼ばれ、現在の当用漢字「蕎麦」に
なったということです。
 蕎麦は全国至る所で、しかも約75日間という比較的短期間で収穫できるので、
奈良時代に救荒作物として作付けを奨励され、以来日本中でそば作が広く行われる様になりました。
いわゆる「そばきり」の登場は江戸時代に入ってからで、それ以前は「そばがき」
「そばもち」「そばやきもち」として食されていました。
明治・大正・昭和そして平成と、時代が移り食の傾向に大きな変化がみられ
近年のような、いわゆる「飽食」の時代になってもそばは変わりなく
日本人に好まれ続け、人々を引きつけて離さぬ魅力を充分にそなえています。

 蕎麦は数ある食品の中で、日本が世界に誇る素晴らしい「不老長寿食」です。
蕎麦にはルチンがたっぷり含有されており、それが体内でビタミンKとなり、
毛細血管を強化し、脳溢血を予防する効果をもっています。
併せて蕎麦には極めて良質のタンパク質と共にナイアシンと呼ばれる皮膚を強くし、
血管の壁を強化する物質が含まれており、お酒を飲んだ後に蕎麦を食べると理想的で、昔から蕎麦屋で酒のことを「蕎麦前」と称したのもうなずけます。
このように蕎麦は米、麦などに比べてはるかに栄養豊富な「完全栄養食品」なのですが、その根拠は種子の構造にあります。
米や麦の場合、栄養豊富な胚芽が外側にあり、この胚芽はおいしくないので、
取り除かれる(精米・精麦)のですが、蕎麦の場合この胚芽に相当するのが、
種子の中央にある「子葉」の部分で、種子の中央にある為、取り除かれることなく
そば粉の中に入ってくるので栄養豊富なのですが、その分だけ「まずい」要素も
含まれます。
そこで、歯ざわりのよさ、喉越しのよさが要求され、おいしいかけ汁・つけ汁が
蕎麦の味を引き立てる脇役として重要になります。

「医食同源」という言葉がありますが、蕎麦に限らず、私たちが食事をするとき、
ゆったりとした気分で、楽しい雰囲気の中で食べますと、それはやがて私たちの
身体を養い、病をもいやしてくれます。
弁天茶屋では、そんな楽しい食事のひとときを提供できますように
「心温まるおもてなし」をモットーに、食材の吟味に調理に店内外の清掃に、
日々心をくだいています。
どうぞ一度足をお運びください。