以下に、感想を しるす。 (2003/10/22 版) =============================================================== 100-13,「砂塵の国の魔法戦士」  実に読みやすい。  文章のテンポは、 ”リウイ”シリーズで良くなった。  ここらへんは、赤川次郎ばりに 量産してほしいね。  (語り口はいいけど、 ネタの見せ方も 見習ってほしい)  ※OVAや、映画には 向いているかと。  気になった点:  ・固有名の変更  ・旅程の疑問(エレミア〜オランが 5日。王都の間なら、幻滅)  ・エレミアの歴史  ・砂漠の民の、状況。(迫害された部族、隠れている部族 など)  楽しいので、まぁ合格点。  辛口にかくならば、周囲の人物描写が足りないかと。  「湖岸の国」のように、語り手を 変えるとかして欲しかった。  特に、パメラ。 もう少し、盛り上げれそうなだけに惜しい。 (パメラ&ミレル のあたり)  ジーニは、部族集団というもの(迫害されるコト)、 傭兵というもの(稼ぎと 戦う意義)、そこらへんを掘り下げて欲しかった。 (暗殺集団というものを、イメージづけるために)  メリッサは、王侯貴族や 教団としての結婚観を。 ハーレムに何が求められるのか、少しくらい 推測して欲しかった。  まぁ、ティカの暮らしぶり なども合わせて、 暇ができたら リウイ外伝を 書いてほしいナァ(笑) =============================================================== 21-42,「冒険の夜に翔べ!」  ▼「季節が巡るたびごとに」秋田みやび    作文の腕が、あがってます(驚き)    だてに、リプレイ書いてませんね。    (語尾が、”〜た。”ばかりじゃないし)    内容でいくと、ダドリーの”葛藤”。    その描写が、テンポよい。    セリフを出すテンポ。”内面の声”の分量。    一気にまくしたてるカタルシス(盛り上がり)。    四つ目の季節、という さりげない記号。    「窓の外は雲が早い。」という、なにげない情景。    こういう、イメージを広げる言葉が入ってるので、    エピローグが 印象深くみえた☆    (ネタでいうと、こういう話は 好きです)  ▼「我ら<不屈のものたち>!」川人忠明    私が待ち望んだ、ムディールの冒険譚。    純情青年の 単純な話、と見えるかも知れないが、    初心者のストーリー作成は 意外と難しいのだ。    (その時の心理状態を、説明しなければいけないから)    ムディールならではの、エリア情報。    村の歴史を知るコトで、「ワールドガイド」にある    ”武装商船”の設定が活きてくる。    (人々の気質が、浮かびあがってくるから。     単純にいうと、質実剛健かな。     )    文章に、もう少し勢い(歯切れの良さ)があると、    ワクワクした気分になれるのだが(^^;    (主に、語尾の使い方。     司馬遼太郎、花田一三六みたいな、文語調も、     ところどころ使うと 作品世界に似合うと思う。     説明する文章が、冗長になりやすい。     )          ストーリー自体は、ジュブナイル風でおもしろい。  ▼「廃都に埋もれし孤影」小川楽喜     パダの街における冒険者。   その説明については、バブリーズのリプレイ、   「死せる神の島」あたりをなぞっている。   親友への手紙、という 一人称を使ってるが、   そのアイデア自体は、上手いと思う。   ただ、1章あたりが ”手紙”にしちゃ長すぎる。   (手紙の部分と、それぞれのキャラの独白の部分    とした方が、より ”手紙”らしく読めただろう。    親友との会話、でも良かったが         )   ネタ自体は 良かっただけに、   ”表現的に”消化不良の感が 残っている。   (読後の寂しさ、重さは狙い通りだろう。    ただ、人生の深みを イメージさせるには足りなかった)    ”冒険”の意味づけ。    その問いかけに 巻き込まれた、主人公。    読者をも、問いかけに巻き込むが、    「セリフが、心に突き刺さらない…。」    状況描写が詳しいのは良い。    しかし、キャラクターに語らせている感が強い。    (キャラクターが、吐露しているセリフに見えない)   ダニエル・キース「アルジャーノンに花束を」のように、   短編→中編→長編と 何度も改訂してほしい一編だ。  ▼「冒険の夜に翔べ!」友野詳 =============================================================== 21-1,「レプラコーンの涙」 水野 良 「一角獣の乙女」 水野 良 「レプラコーンの涙」 下村家惠子「契約の代償」 山本 弘 「ジェライラの鎧」 SWの核を示している。 騎士と職人、成長と恋愛、政治と軍備の裏側…。 =============================================================== 100-5,「魔法戦士リウイ 5」 水野 良 今回は、驚かされた。心理描写が、とても細やかなのだ。 冒険と恋愛がテーマなので、きわどい場面もある。 しかし、悩みに体当たりしていく様は、とても力強い。 男には思い付かないような、解決策であっても……。 そして、背景となる陰謀劇。 人心の機微をとらえる、という意味で 恋愛と似ている。 「結果だけでなく、その過程も楽しむ」それが、思惑というモノ。 敵と味方。それぞれの今後が、とても気がかりだ。 =============================================================== 6-25,「タイデル騒乱!」 アドヴェンチャー3 山本 弘「長く大いなる沈黙」 意表をつく始まり方。テンポがよく、物語に引きずり込まれる。 楽しいだけでなく、奥深い話だ。人々と出会い、そして別れる。 ”人が生きる目的”。実は、こっそりと伝えているのだ。 山本 弘「去りにし日々、今ひとたびの幻」 悪夢。多くの人が、嫌っているもの。 逃げつづけられず、直面する者がいる。 逆に、それを追い求める者もいる。 大きな転機だから、乗り越えるならば 実りは大きい…。 山本 弘「ブラッド・ミュージック」 忘れたい思い出。それがない人は、幸せである。 消え去らない面影。それを見つけた人は、幸せである。 祭りの日、膨れあがる期待。 華麗さと混乱が、この街を包みこむ。 =============================================================== 6-30,「プロミジー急転!」 アドヴェンチャー4 山本 弘「人間の手がまだ触れない」 見知らぬモノへの恐れ。それは、人をかりたてる。 冷静な判断を失い、悪意と疑念によって視界を奪われるのだ。 自分をしっかり見つめるコト。信念をもつコト。 その心がけは、いつか報われる。 山本 弘「時の深き淵より」 人の温もり。それを求めて、人は暮らしている。 そういう面で、善悪は意味をなくす。 また、人は強くもあり、弱くもある。 愛するもの、信じるもの。守るコト、失うコト。 全ての物語は、そこから始まっていく……。 山本 弘「野獣の地下牢」 凍てついた冷気が、刃となって人を刺す。 対抗するのは、腕力か人情か。 氷原と風と太陽が、心の動きを際立たせている。 なぜ、大自然を目にすると、素直になれるのだろう。 かけがえない命を、愛しく思えるからか? =============================================================== 6-39,「熱血爆風!プリンセス」シアター2 山本弘「爆風熱血!プリンセス」 山本弘「魅入られし者」 山本弘「時の果てまで、この詩を」 (関連:サーラ) 大晦日。とある酒場のかたすみで、…それは起こった。 まごころを知る歌姫を背景に、隠された真実が明らかになる。 繰り返されるメロディーは、人に何を教えるのか? この話は、経験をつんだ人にとって とても意味あるだろう。 大きな野望と、ささやかな恋。愚かさと”ぬくもり”の間に……。 =============================================================== 21-36,「女神よ、永遠に」 (関連:デュダ) 高井信 (+安田均) ついつい、一気読みしてしまった。 アイデアてんこ盛り。まるで、幕の内弁当のようだ。 実力に裏打ちされた文章は、微妙なバランスの上になりたっている。 それぞれの描写が、ほどよい感じなのだ。 アイデア先行の場合、活用するための説明ばかり。 いきおい、心理描写が減りやすい。これでは、キャラが活きてこない。 また逆に、キャラ同士のかけあいを続けると、新鮮味がなくなるのだ。 それから、紀行文としても十分に楽しめる。 このシリーズを通して、旅の良さがよく伝えられている。 気の合う仲間たちと、未知のものに向うコト。 街 、山、森、湖…。 その他の感想は、あえて書かない。”おもしろい”のだから。 =============================================================== 21-18,「瞳輝ける夜」 白井 英 「空に消えた耳飾り」 (関連:自由人の歎き) 陰謀。使命。自我。 事件は、人々を巻き込み 膨れ上がっていく。 からんだ糸を断ち切った時、心の中で何かが変質する。 善意とは…? 生きるとは…? 状況描写は、やや長く感じられる。(リズムがくずれて) ただ、初作品にしては よく書かれている。 中川政博「父と子の剣」 (関連:死せる神の島) 武器。冒険者にとって、かけがいない物。 それが、剣になろうと、魔法になろうと、盗賊の技だろうと。 自信と謙虚の狭間に、彼らは何を見たのか? 題材を消化しきってないようだ。鍛練されたし。 (演出意図と違うだろうから) 高井 信 「いわれなき濡れ衣」(関連:デュダ) 知識。それは、人の欲望を刺激する。 好奇心は、無邪気さを表わし、やがて結果を期待する。 ユーモラスな話だが、その背景はしっかりしていた。 友野 詳 「瞳輝ける夜」 淡々とした描写。それは、リアルに状況を切り取る。 一人語り。こまぎれの文章も心地よい。 人物の考えが、ストレートに伝わるからだ。 そして、ゆったりとした時の流れ。 そこに無いモノ(=渇き)を、ベルダインの街に映し出す。 いつか来る、その夜明けを……。 =============================================================== 21-37,『バブリーズ・リターン』 (関連:バブリーズ) 小川直人 「尻っぽのともだち」 実力に裏打ちされた、コミカルな語り。 人物も、情景も ほどよく描写されている。 さらに、異種族の生態が おもしろい。(グラスランナー、リザードマン) 欠点を1つあげると、「〜にゅう」の遣い回し。 不自然なセリフが、所々あらわれていた。 【ソードワールドでは初作品。次回も楽しみだ】 柘植めぐみ「振り向けばハッピネス」 心理描写に、こまやかな配慮がみられる。 "使い魔"によって、それぞれの対比をたくみに演出。 「あえて語られない」想い。 本心をさらけ出す、その打算と勇気。 感情のゆらぎ が、行動と結果をも左右する。 理屈では予測不能、という意味で、 "指し手"ルキアルの好敵手は、このフィリスかもしれない…。 川人忠明 「鮫の子は鮫」 すなおに勧善懲悪、といかないのがバブリーズ。 裏の裏などおかまいなしで、突撃進行! 良くも悪くも、自己中心的な グイズノーとレジィナ。 ドタバタ活劇は、楽しく読めた。 難点をあげると、表現力が不足しているコト。 ストーリーを追いすぎて、脇役を使いこなしてない。 今後の作品に、期待します。(誰でも、最初はそうだから) 清松みゆき「バブリーズ・リターン」 リプレイの経験をふまえて、その筆致には安定感がある。 バブリーズの名セリフを散りばめ、セルフ・パロディーの感も。 筋書きと落ちがしっかりしてる分、敵役をもう少し書き込めると…。 まぁ、バブリーズの魅力、楽しさは 十分に満喫できました。 =============================================================== 21- 2,「死せる神の島(上)」 21- 3,「死せる神の島(下)」 下村 家惠子 淡々とした、しかし的確な描写。 それは、臨場感となり、読者を物語へと引き込む。 悩み、あるべき自分を探す主人公たち。 それは、行動となり、若さゆえに暴走をはじめる。 一歩ひいた視点は、「おとなしい」印象をいだかせる。 (読者に)「感情をおしつけない」という利点でもあるが。 また、有名なファンタジー小説『ドラゴンランス戦記』の 1テーマである”兄と弟”に対して、1つの回答を示した。 無邪気さの霧を抜け、大人となる責任、覚悟。 辛口な物語には、おごそかな未来が開けていた…。 =============================================================== 21-21,「自由人の歎き(上)」 21-22,「自由人の歎き(下)」 白井 英 一度目。使命の旅と 強大な敵に、圧倒されてしまった。 原案があるにしろ、その演出に底力を感じる。 勧善懲悪。その活劇に 心おどらせた。 二度目。その道中記に、目を向けた。 その土地土地には、いろんな人、風物がある。 読み飛ばしながら、その情景・世界を受け入れた。 三度目。人々の心情に はかなさを知る。 役割と衝動。 エゴと邪推。力と力…。 弱いからこそ、懸命に生きる。近しいものを愛する。 強いからこそ、我を通す。そして、己の脆さに気づく……。 そこにあるのは、生きる意味を問う「疑問」のみ。 聡明な教えも、大自然の息吹さえも、夕闇にしずみゆく。 ===============================================================