【うばわれた魔除け】序章 1 < 物語 > 〜 火蜥蜴 〜 Ver1.15(暫定公開) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ザインの下町。 初夏の光が、町並みを 照らしつけている。 もしシャーマンがいれば、”サラマンダの寝息”と描写するだろう。 チロチロと、くすぶるような暑さ。 快適といえないが、放っておいても 汗がにじむ程の……。 ……気にする人は、さしていない様だ。 道沿いには 商店が並んでおり、客引きの声を はりあげている。 そこを、農家の荷馬車が コトコトと音をたてながら進む。 先を急ぐ行商人たちは、その荷馬車を 追いぬいていった。 そんな人々を尻目に、日は まだまだ高くなっていく。 このままいくと、昼過ぎには 暑くなってそうだ…。 ……そう。残念なことに、サラマンダたちは 目覚めてしまった。 ”寝息”をたてた頃の 可愛らしさは、今 みじんも感じとれない。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ( "竜と勇者亭"にて ) そこは、道を二本はさんだ 裏通り。 商人のそれとは、あきらかに異なる声が、騒がしく放たれていた。 ガヤガヤガヤ 人目をはばかるコトなく、伝わる騒音。 昼飯時には、ちょっとばかり早いようだが? 少し探ってみると、”竜と勇者亭”とかかれた看板がある。 店の片隅からは、こんな声が聞こえてくる……。 「リジャール達の乗ってた、小船! ありゃ、俺の従兄弟が作ったのさ〜!」 「そりゃ、たいそうなこって〜!」 「ダハハ、ワハハハ……!!」 その一言からはじまる 親父の話は、 ここに集う冒険者たちの 通過儀礼なのだろう。 ”竜殺し”リジャールに 興味ないやつは、もとより店には来ない。 そして、料理の品数が少ないのに、なかなか繁盛してる。 幸いなコトに、”噂嫌い”の冒険者は 存在しないのだ。 (もしいたら、見世物で アレクラストを巡れる。 冒険者見習いのひよっ子なら、ごろごろしてるが…) ある者が、叫んだ。 「船の話だけに、上手くのせられたぜぇ!!」 「"リジャールに メレーテ王妃"って、例えだね〜」 「おっ、確かに!」 「…お前、酔うと 頭が冴えるなぁ」 つまり、こういう仕組みらしい。 ”駆け出し”パーティーは、小出しにされる話を聞きに 店へ通う。 そして、気づいた時には、”常連”と呼ばれている。 彼ら冒険者にとっては、 「仕事探し」と「暇つぶし」にすぎないのだが……。 【現在の時刻】午前9時すぎ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ★★★★ 次回予告 (→ 序章2) 「さぁさ、お立ち会い。 これより語りますは、妙な冒険者の お話。 暇と小銭がありましたら、今が頃合い。 しばし語り種には 困りませぬぞ! はてさて、どうなりますやら……」 to be Continued... エルナーク(西天) elnerk@hotmail.com