肩関節周囲炎と五十肩
放っておけば痛みはひどくなる。
一般的に肩関節と呼ばれるものは、上腕骨の上方の球形の上腕骨頭とこれを浅い皿状の肩甲骨臼葢が受けており、
骨頭が臼葢の表面をすべるように動くことによって広範な動きがスムーズに行なわれます。
しかし、これら二つの骨の組み合わせは解剖学的に大変ルーズなため、周囲を関節包、靱帯、滑液包、腱板、
筋肉がそれぞれ縦横に走って肩関節を補強しています。骨と軟骨を除いてこれらの組織は容易に損傷されたり、
炎症をひきおこします。さらにこのなかで靱帯、滑液包、腱板は炎症の中心になりやすい組織です。これらの
組織の炎症や損傷によって発症する肩疾患を、肩関節周囲炎と総称します。いっぽういわゆる五十肩は滑液包炎、
腱板炎などをベースにした症候群です。五十〜六十歳以後にこれらの炎症が治らない状態が続いているうちに、
退行変性が加わったものをいわゆる五十肩といいます。
典型的な五十肩の症状は痛みと拘縮です。
まず痛みは肩関節だけにとどまることもありますが頸部や腕に放散する痛みをうったえることもあり、夜間痛
とくに明け方の痛みのためしばしば目覚めるという患者さんもいます。肩関節の周囲をおしてみますとかたの前方、
頂上の部分に強い圧痛があることがわかります。
つぎに拘縮ですがこれは運動制限を意味します。拘縮は程度によって異なりますが、棚の上のものが取りづらい
などという日常動作でわかります。症状が三〜四ヵ月以上続いてきますと肩の全体の筋肉がやせてくることもあります。
また、きわめてまれですが症状が増悪し、運動制限が進行する症例もあります。
これを凍結肩(フリーズンショルダー)といいます。ある角度で肩が固まってしまい、にっちもさっちもいかなく
なります。 |