![]() シェフのひとりごと(1) 〔スペイン料理って〕 よく、「スペイン料理ってどんな料理ですかー?」と尋ねられます。 「エー、オリーブ油とニンニクをよく使いますね。それから、ソフリートと・・・」 「あっ、イタリア料理と似てるんだー」「ウーン、そーとも言えるし、違うとも言える・・・。あの南フランスの方にも似た料理ありますし。バスク地方の料理はフランス料理の影響と言うか、そもそもですねバスクと言うのは、スペインとフランスにまたがってまして・・・」話は、とんでもない方に飛んでいきます。話せば長ーいお話なんです。 とにかく話のきっかけに、私が初めてスペイン料理と出会った時のことから、話していくことにしましょう。 私がはじめて本場のスペイン料理を味わったのは10年以上前、ミロやガウディやゴヤそしてまたフラメンコなどのスペインのアートの数々にひかれてスペインを訪れた時でした。最初に降り立った街がバルセローナでした。腹を満たそうと街を歩いていて、見知らぬ男が教えてくれたのは、下町の名もないレストランでした。いま思えば、レストランは休憩時間で入口のバルにおやじが1人いるだけでした。そこでスペイン料理入門の扉が開いたのです。最初の皿はカタルーニャ風サラダ。みずみずしいレタスやキュウリ、地中海の太陽を存分に浴びた甘いトマト、ピーマン、パプリカの効いたジューシーなチョリソ。それに単純に上質のバージンオリーブオイルとワインヴィネガーをかけていただきます。二皿目はメルルーサという魚(たらの一種だがもっと美味)を筒切りにして、鉄版で焼いたものに、オリーブオイルを振りかけレモンを絞っていただく、ごくシンプルな物でしたが、両方ともその単純さがかえって素材の持ち味を十二分に引き出す結果となり、『これこそが食べ物が美味しいということなのだ!』と言っているような迫力に満ちたものでした。 思えばこの時から、私はスペイン料理に没頭していくことになったのです。そしてこの時味わった物が、期せずしてこのイベリア半島の料理の本質を端的に表したものであったのでした。この話は、これからおいおいして行きます・・・。
バルセロナのランブラス通りにあるサン・ジョセップ市場(地元の人はラ・ボケリアと呼んでいますが)に行きますと、豊富で多様な食材が並んでいるのに驚かされます。例えば、魚は新鮮、畑から引き抜いて来たばかりの様な荒々しいほどの野菜や果物、様々な肉類・・・。もしバルセロナに行かれるならぜひ立ち寄ってみて下さい。きっと目のさめるような感動があるとおもいます。
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