●次世代省エネ基準をローコストに
最近は、エコロジーへの関心が高まるにつれて関西以西でも注目されている、次世代省エネ基準。
環境に優しいだけではなく、お財布にも優しい次世代省エネ基準対応住宅を考案しました。
太陽光発電や省エネ給湯器を付けるだけがエコハウスではありません。知恵と工夫次第で環境にも
お財布にもやさしいエコハウスが出来上がります。
●次世代省エネ基準とは?
住宅性能表示制度の温熱等級4としても同様の規定がなされていますが、その根拠となるものが、
平成11年3月に改正告示された「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断と基準」及び「同設計及び施工の指針」に規定されています。
この基準は、昭和55年に初めて定められ、平成4年に一度、改正されていたものですが21世紀の住まいづくりに照準を合わせて、全面的に改正されました。
●次世代省エネ基準をクリアするには?
同基準をクリアするには、仕様基準と性能基準のいづれかが用いられています。
仕様基準には施工マニュアルがあり、そのマニュアルに沿って施工すれば、自動的に次世代基準をクリア出来る様になっています。この方法は施工者が一度経験すると同じ内容を他現場でも応用できますので、施工ミスが少なく確実に目標とする性能が得られます。欠点は何処の地域でも、どんな環境でも最低水準が確保出来る様基準が設定されている為、ともすれば過剰設計になり、どうしても費用的に割高になってしまう事です。内容的に優れていてもコストパフォーマンスが悪い為、北国や山陰地方の様な、寒さの厳しい地域以外では、まだまだ普及には至っておりません。
●仕様基準は高くつく!

二階部分(イメージパース)
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仕様基準で造られる次世代省エネ基準の施工例です。
外壁の内側のピンク色のものが断熱材です。一般的にはグラスウール24K相当の断熱材が用いられます。
その内側に気密シートを張り、天井も同様に断熱材の内側に気密シートを張ってプラスターボード等で垂れ下がらない様に押さえます。
気密シートの端部はブチルテープ等で隙間の出来ない様にしっかりと固定させます。
気密層を設ける事が要求されますので、気密層を貫通する部分のコンセントボックス等も気密対応型の製品を要求されます。
これらの材料代はあまり大きな金額ではありませんが、隙間無く気密シートを貼っていく、作業手間は大変な労力です。また、実績の少ない関西地域では気密住宅に精通した施工者が少なく、これも割高の要因となっています。
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一階部分(イメージパース)
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一階部分の仕様基準の標準的な施工例です。
外壁は二階部分と同様の仕様です。
断熱材を二階の梁下まで張り上げますので天井の断熱は考慮しませんが、床下にはスチレンボード(青色の部分)等の断熱材で床下を覆います。床下地材の継ぎ目をブチルテープ等で目張りし気密層を確保します。
この他開口部に日射量を調節するカーテンやプラインド・庇等の遮蔽物が義務付けされます。
仕様基準にも幾通りかの施工法があり、ここに紹介した内容だけではありませんが、この方法が現在最も普及した方法です。
冬季の灯油消費量や一年を通じての電気使用料に、一般住宅と次世代省エネ基準に適合した住宅とでは、大きな差が出ると判っていても、イニシャルコストの大きさが普及促進の足枷になっているのが現状です。
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●性能基準で建てると・・・
性能基準には施工マニュアルが無く、使用する材料や方法は思いのままで、設計の自由度は飛躍的に増します。
各々の家に対し断熱性能の指針となる熱損失係数(Q値)、日射取得量の指針となる夏期日射取得係数(μ値)、気密性の指針となる相当隙間面積(C値)をチェックする事により、次世代基準値を満たそうとするものです。
Q値(kcal/u・h・℃)
屋内外に1℃の温度差がある時、1時間に建物の延床面積1u当たりに出入りする熱量のこと。
これを基礎・外壁・屋根・開口部の全てについて計算し、総和を表面積で割った値がQ値となります。
一概に関西地方では、2.7以下が次世代省エネ基準の指標とされています。
μ値
建物内に侵入する総日射量の平均値を、建物がない場合の値との比率で示したもので、値が少ない程夏涼しい家となります。関西地方では0.07以下が次世代省エネ基準の指標となっています。
C値(cu/u)
建物の表面積にある隙間の総量を床面積で除した数値で、これも低い程隙間の無い家といえます。
関西地方では、5.0cu/u以下が次世代省エネ基準の指標となっています。
これだけの事を確認できれば、マニュアルにこだわることなく、自由な材料・施工方法を用いる事が可能になります。
Q値・μ値は計算で根拠を確認しますが、C値は実測で結果を検証します。
個々の家の条件に従って設計するわけですから、施工の簡略化が図れローコストになります。欠点は熱損失計算等の設計が面倒で、施工にもマニュアルが無い為、監理がしっかりしていないと、所期の性能を得られない事です。
しかし、逆に云えば、監理者さえしっかりしていれば、気密住宅に精通していない職人さんでも、簡単に施工出来てお財布に優しい住宅になります。
下記写真は昨年、大阪府下で実際に性能基準を用いて次世代省エネ基準に適合した住宅を建設した時のものです。
●性能基準でローコストに挑戦!
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屋根の断熱。
天井を設けず、屋根の野地板(杉板)化粧で見せる為タルキの間に断熱材を仕込んでいます。
断熱材は旭化成ネオマフォーム40mm+40mmで、野地板との間に気密シートを挿入しています。野地板が無垢材であるため、将来的に木の痩せを顧慮して気密シートを入れましたが合板等で屋根下地を造る場合であれば、気密シートも不用かと思います。
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外壁面。
気密シートを用いない為、合板の継ぎ目に気密テープを張りました。窓廻りさえ気をつければ、合板の継ぎ目のテープも省略できると思います。 |
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外壁室内側。
断熱材はグラスウール16K。気密シートは使用していません。気密対応コンセントボックスも使用していません。
写真風景は気密測定の写真です。
結果は、目標値5.0cu/uに対し、1.3cu/uでした。C値だけで云うと、北海道等の寒冷地でもクリアする水準でした。
屋根の気密シートや外壁の気密テープを貼らなくても次世代省エネ基準はクリア出来ると書いた根拠は上記の測定数値によるものです。
機会があれば、他現場で実証してみようと思っています。
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基礎断熱。
床の直下に断熱材を設けず、床下も室内と同じ環境にする基礎断熱を採用しました。
そのことにより、熱容量の大きい基礎コンクリート面に蓄熱させる事が可能となり、深夜電力を利用して夜間に基礎を暖めておき、昼間はそこから発散される放射熱で家全体を暖める事が可能となりました。
昨年12月、お施主様が明け方時の床下と屋根裏の温度差を測ったところ、僅か2度の差との事でした。 |