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在来木造工法

1、 プレカット工法
   CAMの利用で上棟までの構造材の加工を、職人の技能に頼らず行う工法。
   初期の頃は製材を使用していた為、材木の癖や痩せ・隙を読み切れず、
   精度が悪るかったが、最近では集成材の使用が盛んになり高精度な加工
   が可能になった。プレカット工法と集成材の組合せにより、多くの新しい工法
   が考案されている。

2、 構造用合板による耐力壁
   在来工法の耐力壁は筋交い(筋違い)に頼る事が多いが、構造用合板の
   普及により、外壁廻りの下地として併用が可能な為、耐力壁として使用される
   様になった。壁量倍率は2.5と45x90角の筋交い(2.0)より大きい値が取得
   できる。注意点は接合が釘に頼る為、釘を打つ間隔を150mm以下に保つ
   事や、打ち込み不足・打ち込み過ぎの無い様、合板の特性を考えながらの
   施工を要する事である。又、合板そのものが薄い板片を接着剤で張り合せ
   てある為、水分による膨張収縮を嫌う。防水を確実に行うか、耐水性のある
   構造用合板(特類)を使用するのが無難である。

3、 ネダレス工法
   プレカット工法が無い時代は、構造材の加工精度にバラツキがあり、土台や
   梁の上に直接、床板を張りつける事が出来なかった。その為、土台・梁と床板
   との間に、根太(ネダ)をレベル調整材として配置しなければならず、床面のレベル
   精度を上げる為、床剛性を犠牲にしていた。
   プレカット工法と集成材の、組合せの発達によりレベル調整の役割を持ってい
   た根太が不要となった。その為耐震性能を検討する上で重要な水平構面の
   剛性を、在来木造でも確保出来る様になり、2”x4”工法に遜色ない耐震性能
   を得られる様になった。

4、 SE工法
   通常、在来工法では柱・梁の接合(仕口)や、梁と梁の接合(継ぎ手)は材木
   の加工に頼り、金物は補助的な役目しか果たしていないが、接合そのものを
   金物で行う工法。木材の断面欠損が極端に減り、耐久性・耐震性に優れた
   構造体が出来上がる。弱点は認定工法の為、価格が高値で安定している事。
   一般の在来工法並の単価で、施工出来る様になれば爆発的に普及すると思
   われる。

5、 規格材・汎用材の多用
  建築資材には、流通価格が低値で安定している材料が多くある。OSBボード・
  針葉樹合板・ケイカル板・フレキシブルボード・MDF・木毛板・etc。これらの
  材料は安価な為(安物臭い)、主に下地材としての利用しか注目されなかった。
  それらを仕上げ材として、使用する事に躊躇しなければ、新しい表現方法として
  活用できる様に思われる。
  安土桃山時代に出来た茶室の多くは、今でも名建築として知られているが、
  使用されている材料で、高価なものは何もない。
  屋根は当時高価だった瓦葺きでなく、何処にでもある藁葺き屋根であるし、
  壁は漆喰壁は見当たらず、殆どが土塗り壁である。柱も角に丸みのある間伐
  材だし、床柱に至っては曲がりくねった、建築材料としては無価値な雑木である。
  安い材料を多用したから、安普請と考えるのは早計である。
  
6、 工種の削減
  建築工事は多くの工業製品がそうである様に、工種が細分化されている。
  それぞれの工種には、それぞれ専門の技能者がおり、それらの集大成が
  建築物と云って過言ではない。云い返せばそれぞれの工種が専門業者と
  して独立しているのであるから、それぞれの業者が請負代金に経費を計上
  している。と云う事は、工種を減らせば間接的に経費を減らす結果となる。
  一例として、家具屋さんに家具工事を頼まず、建具屋さんに建具工事の
  ついでに家具工事も合わせて発注する。
  石屋さんに石貼り工事を頼まず、タイル屋さんにタイル工事のついでに石を
  貼ってもらう。等々により間接経費を削減する事が出来る。

7、 工程の削減
  工種が減れば当然工程も簡略化され、元請工務店の間接経費も削減
  出来る。

8、 工期短縮
  住宅建設の場合、工程の管理は監督者の長年の感と経験によりなされて
  きた。しかし、工程表を作成して計画的に工程管理を行う事により、集約的
  に工事管理が行え、請負業者の経費削減につながる。

  バーチャート工程表:工種を縦軸に時間経過を横軸にした工程表。時間軸
               毎に工事の流れがつかめ、素人にも見易いが、狂い
               が発生しやすく、各工種の出来高がつかめない。
  出来高工程表   :工種を縦軸に出来高を横軸に配置した工程表。各工種
               の出来高が一目で判り、工賃の支払いに不足は無いか
               過払いが無いか、すぐに判断できる。欠点は、各工種の
               時間的関係が掴み難く、工期に余裕が無いと完成近く
               に各工種が現場に集中し混乱する。
  ネットワーク工程表:各工種の相対的関係を図式化した工程表。時間的概念
               が、表に現れず難解ではあるが、工期短縮や経済性
               を考えた工程管理が行え、計画的に各工種を現場に投入
               する事ができる。その為、余分な工事車両の駐車場や
               資材置場の確保が簡単に処理でき、現時点では最も
               優れた工程管理方法である。

9、 重量の軽減
  戦前の建物は夏場の暑さ対策として、屋根瓦を固定するのに土を使用
  していた。地方にいくと、天井裏にも土を敷いた家屋が見受けられる。
  夏場の暑気対策には効果があるが、地震等の横荷重が建物にかかった
  場合、日本家屋は非常に脆い。今日の様に断熱材が発達すれば、建物
  は軽い方が、有利である。

10、構造材を仕上げ材として活用
  今日的な間取りのあり方として、居間を広く取る傾向がある。開放的で
  住まい勝手も良いが、構造的に見ると梁・胴差し等の横架材に相当な
  負担を強いている。その為、梁背を大きく確保せねばならず、天井懐
  ばかり大きく、居間の天井高は異常に低い建物になるか、コストアップ
  を覚悟して階高を上げるしか無かった。
  構造用集成材が発達するにつれて、梁が下地材であると云う意識が
  薄くなり、天井の中に隠さず、梁を表したまま施工する家が増えてきて
  いる。耐火性能や塗装・日焼けの問題は残るがローコスト住宅にあって

  は活用すべき方法であると思われる。

11、基礎パッキン工法
  法律では、基礎は外廻りに床下換気口を設け床下の換気を確保する様
  義務付けられている。その為従来は基礎の立ち上がりをくり抜き換気口
  を設けていた。しかし、地中梁の役目も担う基礎の立ち上がりは、各所
  で換気口に分断され、地震時に有効に機能せず、構造上の欠点となって
  いた。換気口廻りに補強の為の鉄筋を入れていなければ、基礎が
  開口部周辺から破断し、倒壊する建物も多く見受けられた。
  その為、従来の換気口を取りやめ、基礎と土台の間に2cm程の高さの
  プラスチック片を挿入しその隙間から通風を確保しようとする工法が
  基礎パッキン工法(ネコ土台)である。もう一つ長所として、基礎と土台が
  直接触れていないので、湿気が土台に伝わり難く土台の耐久性能が
  向上する事である。立ち上がりに開口部を設けない為、余分な補強筋
  も必要なく、今後一般的工法になると予想される。

12、集成材の利用
  集成材のメリットは、上述した通りである。今後も普及する事により
  一層の価格の安定化が見込める。懸念する点は一つ木材を接着剤
  で接合している為、接着剤の強度が生命線である。50〜60年を耐える
  接着材として、機能してくれるかどうかは、まだ未知数である。

その他の工法

1、 2”x4”工法
  柱梁を用いず、スタッド(間柱形状の縦桟)と構造用合板とでパネルを
  造り、パネルごと組み立てていく工法。ローコストハウスの旗手の様な
  扱いを受けた時期もあったが、日本の気候特性や、在来工法の合理化
  等に押され、思ったより普及はしていない。

2、 逆スラブ工法
  阪神大震災以来木造の基礎として、べた基礎が普及してきたが、建築コスト
  的には、コストアップ要因となっていた。べた基礎の強さを残しつつ低コスト
  化する為に考えだされた工法。従来のべた基礎は建物の底面全体を掘る
  為残土の処分費が多く計上されていた。また土台と地面を40cm程度離す
  必要性から、立ち上がりのコンクリートを打設するのに、仮枠を多く使用した。
  逆スラブ工法は、外周部のみ地面を凍結深度以下まで掘り込み、コンクリート
  の立ち上がりの位置にスラブを配置した工法。その為残土が殆ど出ず、
  立ち上がりの仮枠も外周部のみで終わり、基礎工事費を1/4程度削減出来る。
  また、床下が無いので、地熱を利用できるシステム(サーマスラブ)も開発
  されている。

3、 屋上緑化
  木造でも、屋根を設けず。緑地にする工法が開発されている。
  元来、屋根裏は下階に直接太陽熱の影響を与えない為に存在した。
  屋根表面に太陽熱が加わり、屋根裏がないと、夏場なら下階はサウナ状態
  となる為である。屋根に直接太陽光が当らなければ、屋根裏は必要ない。
  屋根面に1/100程度の勾配を付けた折板を葺き、その上に架台を造り
  耐根シートを敷き、軽量土を載せて、芝生を貼れば屋上緑化は完成する。
  紫外線が屋根面に当らない為、折板の耐久性も向上する。

4、 ダブルスキン
  壁面の暑気対策として考案されたもの。外壁面より10cm程度離して
  メッシュフェンスを取り付け、朝顔や落葉性の蔦等を絡ませる事により
  壁面に直射日光が当るのを避けようとするもの。
  高価な外壁材を設ける必要が無くなる。

ローコスト住宅, 注文住宅, 大阪, 低価格住宅, 建築設計事務所, 外張り断熱, 住宅性能評価
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