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◆ 外張り断熱工法をローコストで。



良いのは判っているけど、冬そんなに寒くない関西地方では少し贅沢かなと思ってしまう外張り断熱。

なんとか、ローコストに出来ないか色々と模索しました。部位毎に別けて数回シリーズで考えてます。(平成14年6月〜9月メールマガジン週刊グリーンハウスに連載)
屋根工事


図1一般屋根

普通の木造住宅の屋根図1に見られる様な、タルキ(垂木)の間に断熱材(ポリスチレンボード等)を入れた内断熱工法が主流です。一般的に工法が普及していて、断熱材も市販品で安価なものが出廻っております。これ以外にも天井面にグラスウール等を敷く断熱工法も普及しています。
但し、天井面に敷き詰める場合は、意外に施工要領が、誤解されていたりして充分な断熱層を形成するに至ってない場合が多く見受けられます。
隙間無く敷き詰めなければ対流が発生して、断熱効果が無くなってしまう事にあまり注意が払われません。公庫検査時等にその辺の指摘が無いのが原因ではないかと思われます。
それに比べれば図1のタルキの間に断熱材をいれる方法は、まだ確実な断熱工法だと云えます。しかしこれも万全でなく、断熱材と断熱材の間のタルキ部分に隙間が発生します。その隙間が熱橋(ヒートブリッジ)となって熱が室内に漏れ出します。タルキの木材自身は熱伝導率が低く大きな問題とは思えないのですが、施工性の問題で断熱材とタルキの間にどうしても隙間が出来てしまい性能を下げる原因となっています。


図2外張り断熱の屋根



図2
はタルキの上に断熱材を並べ、断熱材間の隙間を気密テープで目張りし、その上にもう一度、タルキを設けその部分を通気層として利用する

外張り断熱工法

です。確実に断熱できて、施工不良の個所も一目で見つかる為、より優れた断熱工法と云えます。欠点はタルキを2重にする材料代と手間代の高騰です。あまり普及しておらず、手慣れた工務店さんが少ない事もあって、通常の屋根工事の1.5倍程度割高になってしまいます。割高分のお金を光熱費として消却すると、暖かい関西地方では何十年も掛かってしまうので何の為に高断熱化したのか判らなくなってしまいます。
高気密・高断熱もローコストでなければ関西では成立しません。








余談ですが、この外張り断熱工法は寒い国で発達してきました。

氷点下の外
気温から20数度の室内の快適さを保つのには、高断熱化しなければならず
高断熱化しようと思えば高気密化しなければならなっかのです。
関西が暑いと云っても、30数度にしかなりません。10度も温度を下げれ
ば快適に生活できます。10度下げれば快適な関西と30度近く上げないと
生活出来ない北国では、断熱化工事に対する考えが全く異なります。
人間は一概に寒がりなのです。



図3ローコストタイプの屋根

図3

は外張り断熱工法をローコスト化した案です。


タルキを1重しか設けず、その代り、屋根材を折板屋根にしまして、折板の山型部分の空洞を通気層にした案です。これでは、折板の谷部分の通気が取れない様に見えますが、実際は止め金等が間に入っている為1cm程度の隙間が空いています。又、金属屋根の欠点である雨音を押さえる為、耐水プラスターボードをルーフィングの下に敷きました。又、折板は結露防止用にペフ
(防露材)を裏張りしたものをお勧めします。

実際の数値的なデータを取った訳ではありませんので、一般的な外張り断熱工法とどの程度、差があるのか判りませんが、実感として殆ど差は無いと思います。

二階にいる時、通常の内断熱工法の家に感じる屋根面・天井面からの輻射熱を全く感じませんでした。
問題点は嗜好の問題と思うのですが、折板は、工場の屋根等に多く見られる屋根材なもので、住宅用としては敬遠され勝ちな事です。安価でしかも、他の屋根材では決して出来ないような緩勾配の屋根も可能なので、デザイン的にもう少し研究されれば見直される時期が来る様に思います。

図4都市緑化対応型

図4はその解決策の一手法です。
緩勾配でも施工可能な特性を生かして、折板の上にエキスパンドメタルで架台を造り、耐根シートを敷いて軽量土を載せ、芝やセダム等の植物を植えます。都市緑化や都市温暖化対策としても有望な屋根が出来上がるのではないでしょうか。折板の表面塗装も直接、太陽の紫外線を受けない為、寿命が延びます。現在折板の上に同様の緑化を施した実験棟が、関西空港2期工事の現場事務所として、稼働中との事です。特別な断熱工事を施していないにも関らず、クーラーの立ち上がり速度が格段に速くなったそうです。
また、芝は3日に一度程度散水が必要との事ですが、メキシコ原産のセダム
は天水のみで充分繁殖が可能で、他の雑草が涸死する条件でも立派に生育します







兵成22年2月26日加筆
上記折板屋根の実例です。
折板の上に架台を組みまして、その上にエキスパンドメタルを貼り付け、耐根シートを貼って軽量土をのせて芝を張ります。


架台の組み立て


メッシュシート貼り


耐根シート貼り


軽量土敷きの上芝貼り



外壁工事

                     (図1)
                   
図1は一般的な内断熱工法の壁です。断熱材はグラスウールがポピュラーです。(水色の部分)
関西地方ではこれで充分と思いますが、北国に行きますと断熱材と柱の間にどうしても出来てしまう隙間が問題になります。
その隙間を通り、寒気が室内に漏れ出します。それと同時に暖かい室内の空気が、その隙間を通って上へ上へと逃げていきます。
しかし途中で冷やされて水蒸気が飽和点を超え結露が発生します。発生した結露が断熱材のグラスウールを濡らし断熱効果を益々下げる様になります。
乾いた布巾で熱い鍋をもってもそれほど熱いと感じませんが、布巾が濡れているとヤケドします。断熱材に湿気は大敵なのです。
関西地方でも壁の中で同様の事が起こっています。暖かいので結露も断熱効果に影響を与える程発生していないだけです。木が濡れたり乾いたりするのは、家の寿命を考えると決して良い事ではないのです。




                     (図2)

図2
は一般の

外張り断熱工法の壁

です。ポリスチレンフォーム等の比較的堅い材料を断熱材として使用します。(薄ネズミ色の部分)構造用合板を張った後に継ぎ目を気密テープで目張りする為、空気の流通が有りません。またグラスウールに比べ隙間が出来難く仮に濡れても急激な断熱効果の減少は有りません。
ただ、断熱材そのものが高く、上等な断熱材ですとグラスウールの1.5倍から2倍のコストが掛かります。ローコストハウスはコストパフォーマンスが命ですから、良いと判っていても高いとなると、どうしても躊躇してしまいます。








(図3)


図3

ローコスト化した外張り断熱工法

壁仕上げ材を波板スレートや角波鋼板の様な裏側に通気層が出来る材料を仕上げ材として用い、縦胴縁を取り付ける手間を省きます。仕上げ材の価格自体も他のサイディングに比べ格段に安価ですから、ローコストハウスには最適です。
ただデザイン次第で、これも工場の外壁の様になってしまいますから、相当なデザイン力が要求されます。




 

 








                     (図4


図4は図3の問題点の解決を試みた一つの方法です。
仕上げ材の上にステンメッシュを取り付け、蔦等の植物で覆います。夏場直射日光が壁面に当らずかなり涼しくなります。またアルミパンチングメタル等で覆うのも面白いと思います。ダブルスキンの発想はこれからの住宅において、多いに検討されるでしょう。













基礎工事
                      (図1)

図1
は現在考える中で尤も良いと思われる
内断熱工法の基礎です。
(べた基礎が良いか布基礎が良いかの議論は別として)
以前は床下の換気を確保する為、基礎をくり抜き床下換気口を設けていました。しかし基礎の換気口は、地震等で応力が集中した場合簡単に割れてしまいます。
基礎が破断しますと上部をいくら丈夫に造っても建物は到壊します。図は床下換気口を無くす事で基礎の弱点を排除しています。
基礎と土台の間に塩ビ製のパッキンを挿入して、2cm程土台を浮かせます、その隙間から換気しようと云うものです。
おまけの効果として、白蟻に侵され難くなったり、基礎面に密着していないので、土台が常に乾燥状態にあり、建物が長持ちする様になりました。土台と基礎が、点でしか接着していない為不安に思いますが、条件としては二階の梁も同じで、何等支障有りません。ですから、関西地方や暖かい所では、この工法で充分だと思います。

しかし、せっかく屋根や壁を外張り断熱工法を採用したのなら、この床下断熱では不十分です。

この工法では、断熱材は土台の上の根太と根太の間に敷き込みます(水色の部分)が、柱等の取合い部分でどうしても隙間が出てしまいます。その隙間を通り冷気が侵入し足元が冷えてしまうのです。


                          (図2)

図2

は初期の外張り断熱工法の基礎です。


この工法は、床下まで断熱化してしまい、床下は湿気が上がらない様に、土間コンクリートと防湿シートで密封します。基礎の外側を、外壁で張った断熱材をそのまま、基礎部分まで張り伸ばします。そうする事で隙間が無くなり、高気密化が完成します。
注意点は、床下の換気を外気に頼る事が出来ないので、室内の空気を床下まで循環させてやる必要が発生する事です。それさえすれば完璧と思われたのですが、実は思わぬ伏兵がいました。
白蟻です。スチレンボードは石油製品で白蟻の栄養にもならない、と思うのは人間の考えで、白蟻にしてみれば木とスチレンボードの区別がつきません。土に接触しているスチレンボードに白蟻の食害が各地から報告されました。食害を受けない断熱材
(発泡ガラス等)で基礎を覆えば問題は解消するのですが、どれも値段が高く、ローコストの観点から採用出来ません。
また、土台と基礎が密着している為、接触面が乾燥し難く、土台にダメージを 与える可能性があります。


                        (図3)

図3
は、断熱材を白蟻の食害から守る為、基礎部分のみ、基礎の内側に断熱材を張った案です。
断熱材が土と接触していない為、白蟻から守られます。基礎の立ち上り部分を畜熱層として、利用できない欠点は有りますが、それによる光熱費の増は微々たるものです。また基礎と土台の間の隙間から冷気
(熱気)が侵入しない様に、ラバー付の防湿シートを挟みます。そうする事によって土台と基礎が直接接する事も無くなり、土台が湿気る事も有りません。
ただこの工法もまだ改善の余地があり今後の発展を期待したい部位です。






開口部

気密・断熱だけを考えれば開口部は無い方が有利です。開口部は機構上どうしても隙間が出来てしまいます。開口面積が大きい程隙間長さも長くなります。
公庫次世代基準では隙間相当面積が2cm2/m2以下と決められていますのでそれをクリアしようと考えれば、ギリギリまで開口面積を小さくしたくなります。

図1  図2
図1は標準的な掃き出し窓です。図2は開口面積を変えずに天井面まで開口
を伸ばした窓です。
図3は窓幅を広げ、窓高さを60cmに押さえた窓です。
どれも開口面積は同じです。
最初の窓は一見部屋が明るくなると思われますが、窓上に垂れ壁があるためそ
の位置の壁の暗さが強調されてしまいます。また部屋の奥まで日差しが入らず、
同じ開口面積であれば、
図2の窓より明るさの点で劣ります。

図3
図3
の窓は眺望的には優れていて、ピクチャーウィンドとして良く用いますが、垂れ壁と腰壁部分の暗さが強調され明るさの点でもっとも劣ります。

ヨーロッパの建築は日本建築に比べ開口面積が小さい割に暗さを感じないのは開口幅を切りつめ(構造的にも有利になる)開口高さを重視した結果です。日本建築には内法(うちのり)高さが付きまとい、長押を通すため天井面よりかなり低い位置に窓の高さを設定しがちです。横に広く景色を眺めるには都合の良い窓ができるのですが、部屋の明るさは、蛍光燈に頼ると云うのが、日本


日除け

夏の暑さ対策は日本の住宅の命題です。ようやく、涼しくなってきましたが、真夏の暑さの記憶は、まだまだ消えていません。真夏でも屋外の木陰の様に四方八方から風がとおりぬければ、まだ少しは我慢できるでしょうが、住宅の場合は耐力壁を配置したり、プライバシーの問題からわざわざ壁を設けたり、通風は木陰と比べ物にならない程悲惨です。まして、直射日光が遠慮なく差し込む部屋は、クーラーでも、つけない限り、サウナ状態になるのは目に見えてます。
いくら外断熱の壁を造っても、窓から日差しが入り込み、中から暖まってしまえば元も子もなくなります。ペアガラスは、熱伝導による熱の移動には効果がありますが、赤外線をカットする性能はありません。

赤外線を、ある程度カットしてくれるガラスもありますが、高価でローコスト住宅には採用し辛いです。

やはり、部屋の中に日差しが入り込むのを防ぐ工夫が必要になります。

                     
図1.1

図1.1
は何も日除け対策を施していない掃き出し窓です。

夏至の正午頃、大阪付近を想定してシュミレーションしました。

本当に暑いのは、夏至では無くお盆前後の午後2時から3時頃に掛けてですから、もう少し部屋の奥まで日差しが入り込んでいるはずです。もしクーラーが無ければ、高性能な外断熱でも、何の効果もありません。それどころか一旦暖まってしまった室温を保温してしまい、夜中になっても温度が下がってくれません。











                      
図1.2

図1.2
は冬至の同条件の日差しのシュミレーションです。冬にここまで日差しが入り込んでくれたら、昼間はおそらく、暖房器具は不要でしょう。この冬の日差しを損なう事無く、夏の日差しを遮る工夫を考えてみます。







                      
図2.1

図2.1
は床面から2.4mの高さに出幅1mの庇を設けた時の、夏至の日差しです。

北回帰線は23°30′大阪の緯度は35°90−(35−23)=78°が夏至の日の南中時の太陽高度です。

4日に1°のペースで太陽高度が下がりますのでお盆前後は63°付近まで下がってます。丁度、上記の庇の角度が63°程度になります。
ですから、夏至では部屋の中に、日差しは入り込んでいません。お盆前後でも、ほぼ窓際で止まります。



                      
図2.2

図2.2
は同様の冬至の日差しです。
南回帰線は−23°30′ですから90−(35+23)=32°となりますので、窓上の壁の部分に影は出来ますが、ほぼ庇の無い場合と同様の位置まで日差しが入り込んでいます。









図3.1

   図3.2








何かの都合で庇が造れない場合、
図3.1・図3.2の様に、ルーバーを窓外に設けて、庇の代用をさせる事が出来ます。それぞれの地域にあわせて羽根の枚数や角度を調整すれば、より効率的な採光・遮光が可能になります。ちなみにルーバーは室内に設けるより屋外に設けた方が効果が上がります。





図4.1
      図4.2











メンテナンスフリーとなれば、図4.1・図4.2の様な植物による遮光も面白いと思います。朝顔の様に冬になると枯れてしまうもので窓を覆うと、冬場の採光も問題ありません。


換気

外張り断熱の特徴として、気密性の高さが上げられます。

気密性の高さそのものは、住宅を造る上で、特に目標とする項目では無いのですが、断熱性能を追求して行くと気密性が高くなった、と云うのが実状です。
人間が家の中で生活している以上、呼吸し、火を使いますので、どうしても空気が汚れます。
また、空気が滞留すると、湿度が上昇し、ダニが発生したり、結露の原因となったり、またハウスダストが除去出来ず、不健康な住宅になってしまいます。ホルムアルデヒドその他有害物質も無視出来ません。

気密性の悪い隙間だらけの家でしたら、全く気にも止めない換気ですが、気密性の高い住宅ですと、やはり計画的に換気してやる事が重要になります。人間一人に必要な換気量は30m3/hですから4人家族では120m3/h必要になります。
高気密住宅では隙間風が殆ど期待できませんから、全てを換気扇に頼る事になります。それでは、どの様な大きさの換気扇かといいますと、トイレ用の150mmのパイプファン一つでOKなのです。金額は大体1万円前後、消費電力は5W前後ですから、一月間回しっぱなしにしていても、100円かかりません。これはローコストです。

ただ、トイレの様に狭い空間で運転していても、給気孔が無ければ効率良く換気してくれません。また、給気孔があってもトイレの外壁に設けられた給気孔だと、ショートサーキットを起こして、家全体の換気をしてくれません。トイレのドアにガラリをつけるとか、別な工夫が必要になります。

換気扇のカタログに必ず換気風量が表示されています。一人当たり30m3/hを目安に、煙草を吸う、吸わないとか諸条件を考えながら、換気を考えていきます。
よく見かける、壁に取り付けてある25cmのプロペラファンですと大体400m3/h程度の能力があります。これを回しっぱなしにしますと、暖房費・冷房費に相当ロスがでますので、オン・オフの注意が必要です。
機械換気には大きく分けて閉鎖型と開放型があります。閉鎖型は各室それぞれに給気孔・排気孔を設けそれをダクトで熱交ユニットまでつなぎ、集約して屋外に給排気するものです。部屋単位で確実に換気が行えますので、ビルなどの大規模建築物に適しています。

話しは少し脱線しますが、換気システムは生き物の血液循環システムに良く似ています。脊椎動物の血管は毛細血管まで良く発達していて細胞の一つ一つまで確実に酸素を供給しますが、エビ等の甲殻類には、毛細血管が無く、細胞の間をじわーっと血液(血液と云っても鉄が主成分のヘモグロビンでなく、銅が主成分のヘモシアニンですから赤くありません)が染み込む様に流れ、あいまいに酸素を供給していきます。
これは開放型の血液循環です。
激しい運動を長時間行うようにしようと思えば、やはり確実に細胞に酸素を供給できる閉鎖型の循環システムが必要になりますが、その分力強いポンプ(心臓)が必要になり不経済になるのです。

住宅でも色々なメーカーから、住宅用の換気システムが提案されていますが、割高で、ダクト内の汚れや熱交ユニットに発生したカビが新たな問題となっています。

住宅の場合、特にローコストをテーマとするならば、トイレであるかはともかく、24時間換気しても気にならない程度の、小さな換気扇を一つ二つ設けて、家全体の換気を考えるような開放型の換気がよろしいかと思います。
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