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地震対策に最も有効な工法は?

● 色々な地震対策工法が考案されているが・・・

ネットを地震対策工法等で検索していますと、さまざまな工法が紹介されています。殆どのサイトが自社の工法と他社の工法比較してその有効性を訴えています。それでは果たしてどの工法が最も優秀なのでしょうか。
結論から先に云いますと、もっとも優れた工法は無いのです。冷静になって考えると分かる事なのですが、他の工法よりはるかに優れている工法が考案されていれば、誰もがその工法を用いて建てています。実際はそうなっていないのは、建築主や専門家が勉強不足でその工法を知らないと云う事ではなく、すべての商品に一長一短があると云う事です。

● 地震と建物の関係について
地震対策の一環で、地震と建物の特性を知る必要があります。建物が地震で影響を受ける要素として・・・
@地盤の特性
A建物の固有震動周期
B建物の形状
C建物の耐力壁の配置
等があります。


@地盤特性

防災科学技術研究所が公表している表層地盤の固さを色分けした地図。

青い色は地盤が固く、赤に近づくに従って軟弱な地盤となります。

京都盆地や奈良盆地は固い地盤に囲まれているため、地震波が繰り返し襲う可能性があります。

地盤が固いか柔らかいかは建物に大きな影響を与えます。地盤が柔らかいと一度通り過ぎた地震波が、固い岩盤にぶつかり反射して、再度建物を襲います。盆地の様に周囲を山で囲まれているような地形の軟弱地盤は地震波が何度も襲います。丁度バケツに水を入れてバケツの縁を叩くと波紋が何度も何度も発生するのと同じです。
この様な地盤特性に建つ建物は、丘陵地の地盤の固い場所に建つ家よりも地震に抵抗する構造にしないと危険です。


A建物の固有振動周期

物体はすべて固有振動周期を持っています。鉄筋コンクリートの様な固い建物は固有振動周期が短く、木造の様な柔らかい建物は固有振動周期は長いです。どのような波長の地震が来るのか予想は出来ませんが、熊本地震の波長は木造住宅に共振する様な比較的長い波長だったので、木造家屋が多く倒壊しました。東日本大震災は固有振動周期が短かった為震度7であったにも関わらず、木造家屋に地震そのものでの被害は少なくて済みました。
また、高い建物は固有振動周期が長く、低い建物は固有振動周期が短い傾向にあります。
関東大震災では、固い地盤の上に建った固有振動周期の短いレンガ造の建物が多く倒壊し、柔らかな地盤の上に立った木造家屋が多く倒壊しています。
建物の固有振動周期と地震波が一致してしまえば、構造の別に関係なく建物は危険にさらされます。


B建物の形状

建物の形状も揺れ方に影響します。立面的に見て二階の壁面と一階の壁面が一致していれば、二階に掛かった地震力をスムーズに地面に伝える事が出来ますが、二階の壁の下に壁が無ければ二階の壁を支える梁を通常よりも大きくして梁を受けている一階の柱に地震力を伝えないと梁が大きく撓む結果となります。
平面的に見て、極端な長方形の家や凹型の家や凸型の家、L型の家等は突出部分とその他の部分で揺れ方が異なる為、捻じれを生じやすく危険な状態になる可能性があります。


C耐力壁の配置

建築工学では地震の力を縦方向の力と横方向の力に分解して考えます。
横方向の力には縦方向の耐力壁は無抵抗で、逆に縦方向の力には横方向の耐力壁は無抵抗となります。縦方向横方向共にバランス良く耐力壁を配置する事が重要になります。

建物は地震力を受けると揺れます。それは一般の工法では仕方のない事なのですが、揺れ方にも安全に揺らす方法があります。捻じれを起こさず全体的に均質的に揺らす工夫が必要になるのです。
例えば東西方向の耐力壁が北側に偏っていますと、東西方向に揺れた場合、建物の北側は揺れが少なく、南側は大きく揺れる結果となります。南側の部屋は窓を大きく取りたいですが、耐力壁のバランスを考えないと危険です。
言い換えますと、建築基準法的に総量としての壁量は満たしていても、耐力壁の配置が偏っていると危険です。


●どの工法を選択すればよいのか

免震構造の基本モデル
平常時は普通の建物と変わらない 地震時、免震装置が働いて、建物に地震力が伝わらない

建物の固有振動周期を無くして、地震波と共振しない事を目的として考案されたのが免震工法です。地震波を基礎と上部構造部との間の免震装置で遮断してしまう方法です。この方法が地震に対して現在の技術力では最も有効な工法といえますが、費用が高く制約も多い工法です。
例えば液状化が懸念される地盤では建物が傾く恐れがあります。そのような土地に免震住宅を建てれば、家が傾いた段階で基礎から建物が滑り落ちてしまう可能性すらあります。
耐震壁を補強する目的で制震装置が数多く考案されています。耐力壁を基本にして補助的な役目で制震装置を装着しますが、耐力壁が抵抗しきれずに変形し始めなければ制震装置は作動せず、柱が傾斜するのに抵抗はしてくれますが、地震の揺れそのものを抑える事は出来ません。
● 費用の問題も見逃せません
予算は無制限なら、あらゆる方法・手段を試せますが、実際には限りある予算の中でどの様な配分が正しいのかを見極める作業が必要になりますから、素人判断は危険です。地震対策に最も有効な手段は専門家に相談されることです。
ここで云う専門家とは、免震や制震装置のメーカーや工事業者ではありません。メーカーや工事業者は自社の製品や工法が最も優れているとして自社製品を主張します。
メーカーや工事業者の意見ではなく、これらの製品や工法を採用している実績があり、建築主と同じ使う側の立場に立っている設計事務所に相談すべきです。
先日も免震住宅についてお問い合わせ頂きましたが、軟弱地盤であったためお勧めしませんでした。その土地に対して何が有効であるかは、ケースバイケースなのです。それを見極めることの出来る設計事務所にご相談ください。


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