はじめに強調したいのは、凝るのは肩ではなく首であるということだ。頸椎から痛みが広がるのであって、肩関節が痛むのではない。
 もともと構造的に頸椎周辺は弱いわけだが、これに悪い条件が重なると肩が凝る。
 デスクワーク、パソコン、ゲームなど、日常生活で首を前傾させる機会は結構ある。そうなると頸椎の前湾を後ろから支える脊柱起立筋という筋肉が、緊張しっぱなしで縮こまる。
 かたく縮こまる筋肉はほかにもある。よく知られているのが僧帽筋だ。これは背中の上半分に広がる菱形の筋肉で、肩甲骨を吊り下げて腕を動かす働きがある。ところが現代では、手先を動かすことは多くても、腕自体を回したり上下させたりする機会はそんなにない。筋肉はいつも伸び縮みしているのが健全な状態で、長く使わないと筋力が衰えて縮こまる性質がある。僧帽筋の場合がまさにそれである。
 肩凝りもこうした筋肉レベルで留まっているうちはまだ軽傷だ。これを放置しておくと、さらにひどいことになる。硬くなった筋肉が頸椎などに負担をかけて、その周りの神経を圧迫してしまうのだ。首すじだけてなく、腕などに放散痛を引き起こす。
そうなる前の処置が非常に重要になってくる。